10のキーワードで知る、メルセデスの世界。(前編) コラム ブランド
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10 Keywords of Mercedes-Benz 10のキーワードで知る、メルセデスの世界。(前編)
#1 ベンツ・パテントモーターワーゲン
1886年1月29日、カール・ベツにより世界初の自動車として誕生したペンツ・バテントモーターワーゲン。自動車発明の成功の鍵は、ガソリンエンジンの実用化にありました。当時の機械動力の主流は蒸気機関。ゴットリーブ・ダイムラーとカール・ベンツは、この先自動車が個人の移動手段として広く利用されるには、小型軽量化や高速化、長い航続距離を実現し得るガソリンエンジンの普及が必要になると見抜いていました。次代が求めるクルマの性能とは何か。常に時代の先を見据え続けるメルセデスの姿勢は、今も変わることはありません。
#2 シルバー・アロー
1934年、ドイツ・ニュルブルクリンクのフォーミュラ・レースで生まれたシルバー・アロー伝説。出走するマシンW25がレース前日の車検で重量オーバーを指摘され、出場資格を失う事態に追い込まれました。監督は急遽、少しでも車体の重量を落とすために、スタッフにマシンの塗装を剥がすように命じました。アルミの地肌そのままに輝くW25の姿は、まさに「銀の矢」。そのレースを圧倒的な速さで制したW25は"シルバー・アロー"と称され、やがてメルセデスを象徴する伝説になりました。その呼び名は、現在のF1グランプリでも同じように使われています。
#3 事故調査隊
「路上で起こる事故の真実は現場から学ぶ以外にない」。メルセデスはクルマの破損や乗員の被害の状況を約3,000項目にわたって調べるという体制を整え、これまでに4,700件以上もの事故調査を行ってきました。現場で学び改善へと結びつける取り組みの成果が、衝撃吸収構造ボディやABS、シートペルトテンショナーなどの安全技術を生みました。また、それらの特許を独占せず次々に無償で公開してきたのは、世界中の自動車の安全性を願うからにほかなりません。
#4 ミスター・セーフティ
1939年、32歳で主任設計者として迎えられたベラ・バレニー。世の中にまだ概念すらなかった「自動車の安全性」の研究に着手した彼は、衝撃吸収構造ボディをはじめ数々の安全技術を開発。彼が在籍した34年間に取得した特許は2,500件にも及びました。自動車の安全性向上への多大な功績により、後に"ミスター・セーフティ"と呼ばれるようになりました。
#5 シャーシはエンジンより速く
メルセデスの考える理想のシャーシ。それはエンジン性能を上回り、堅牢・軽量でありながらどのような路面でも変化をしっかり受け止め、誰でも快適に運転できるしなやかな構造。エンジン部とトランク部が潰れることで衝撃を吸収し、キャピンの変形を防ぎ乗員を守る世界初の衝撃吸収構造ボディを1953年に採用。ベンチマークともいえる基本構造を確立しました。単に装備の数を増やすのではなく、シャーシの機能を何より進化・熟成させる独自の思想は、安全性の原点として今も息づいています。