ゴルフコンペに参加する際、楽しくそして円滑にプレーするためには、ルールの理解が欠かせません。特に、普段のラウンドとは異なる「競技ルール」が採用されるコンペでは、事前に要点を把握しておくことで、スムーズにプレーできるだけでなく、思わぬペナルティを避けることができます。本記事では、メルセデス・ベンツの世界規模のゴルフトーナメントの日本大会であるメルセデストロフィージャパンの内、当社(株式会社シュテルン天王寺)が主催するサテライト大会における競技ルールを中心に、抑えておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
記事内容
- 18ホールズストロークプレー
- アンダーハンディ
- ダブルペリア方式
- ジェネラルエリアオールノータッチ
- 完全ホールアウト
- 打数上限(ダブルパー制限)
- その他
●18ホールズストロークプレー
一般のゴルフコンペやプロトーナメントのほとんどが「ストロークプレー」で行われています。ストロークプレーとはコンペで決められたホール数の打数の合計で勝敗を決める競技方法です。つまり、最も打数(ストローク)の少なかったプレーヤーが勝利します。対して、「マッチプレー」と呼ばれるプレー方式では、2名或いは2組のプレーヤーが1対1で対戦し、1ホール毎に打数で勝敗を決めます。当社のサテライト大会においては、前述の「ストロークプレー」を採用しておりますので、全18ホールの打数の合計で勝敗を決定します。
●アンダーハンディ
「アンダーハンディ」とは、それぞれのプレーヤーの力量にあわせたハンディキャップ(HDCP)を設けて、それを元々のトータルスコア(グロススコア)から引いたスコア(ネットスコア)で競う競技方法のことです。例えば、ハンデ7・グロス87のプレーヤーと、ハンデ10・グロス90のプレーヤーは、どちらもネットスコア80となり、アンダーハンディの競技方法の場合には、同スコアとみなされます。このルールでは技量に違いのあるプレーヤー同士が、公平に競い合うことができます。逆にハンディキャップを使用しない方法を「スクラッチ競技」といいます。
●ダブルペリア方式
「ダブルペリア方式」とは、プレーヤー毎の実力差を調整する為に用いられる仮のハンディキャップ(HDCP)を使用する方法です。プレー後にHDCPを算出し、それを使ってネットスコア(=グロススコア-HDCP)で順位を決定します。実力差を緩和し公平な勝負ができる側面と「運」の要素もやや含まれる方式で、コンペを盛り上げる為によく採用されます。
【ハンディキャップ計算の仕組み】
① 運営側が12ホールを選定(隠しホール)
② 隠しホールのスコアを合計
③ 12ホールの合計スコア×1.5-72(コースパー)=HDCP
④ ネットスコアを算出
【計算例】
隠しホール(12ホール)のスコア合計60打×1.5-72=18(HDCP)
グロススコア(18ホール)95打-18(HDCP)=77打(ネットスコア)
●ジェネラルエリアオールノータッチ
ゴルフコースは「ティーイングエリア」「ペナルティエリア(池・赤杭など)」「バンカー」「パッティンググリーン」「ジェネラルエリア(上記以外の全て)」で構成されます。つまり、フェアウェイ・ラフ・林の中など、ティー・バンカー・グリーン・ペナルティエリア以外の場所すべてがジェネラルエリアであり、その場所では「ノータッチ」=ボールや地面・芝などを触ってはいけません。具体的には、「ボールを手で拾い上げてふく」「芝を押さえてライを良くする」等の行為は禁止となります。但し、「アンプレヤブル宣言」「救済ドロップ」など公式ルールに従って行う救済は可能です。
●完全ホールアウト
「完全ホールアウト」とは、各ホールでボールがカップに入るまで必ずプレーを続けなければならないというルールです。つまり、どんなに打数が多くなっても、カップインしない限りそのホールは終わりにならないということです。通常のラウンドでは、スコアの流れから「これはもう1打だから…」とプレーをやめてしまう「OK(オーケー)」や「ギブアップ」が認められることがありますが、完全ホールアウトのルールではすべてのホールをカップインまでプレーしないと無効となります。スコアの正確性を守るため、このルールが採用されます。
●打数上限(ダブルパー制限)
「打数上限(ダブルパー制限)」とは、1ホールの最大打数がダブルパーまで制限されることをいいます。例えばパー4のホールでは4打×2=8打まで最大カウントされるということで、実際の打数が10打であったとしても、8打でスコアがカウントされます。打数上限はあくまでスコアにおいてのルールであり、「完全ホールアウト」のルールにおいては、カップインしなかった場合、ホールアウト未完了とみなされ競技失格の可能性があります。打数上限があっても必ずホールアウトが必要です。
●その他
サテライト大会では日本ゴルフ協会(JGA)ゴルフ規定およびコースローカルルールを適用します。大会で使用できるドライバーヘッドと球は「R&A(英国ゴルフ協会)」を通じてその適合性が確認されているものに限られます。また、高低差が出る距離計は禁止されています。高低差の出る距離計を使用した場合、「この打ち上げは5ヤード加算すべき」などと戦略的なアドバイスを機械が行うことと実質見なされており、ゴルフ規則の基本ルール「プレーヤーは、他のプレーヤーに助言を与えてはならない。他のプレーヤーから助言を求めてはならない。」に反する為、使用を禁止されています。
まとめ
ルールをしっかり把握しておくことで、自信を持ってプレーでき、他のプレーヤーとも気持ちよくラウンドできます。当日はマナーを守りつつ、ぜひベストスコアを目指してください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
R&Aが定めるゴルフ規則を詳しく確認したい方は
こちら。
- 本記事で紹介する内容について、ご質問等は受け付けておりません。
- 本記事で紹介する内容はあくまで参考です。コンペや運営の指示によって見解や対応が異なる場合があります。
- 写真はイメージを含む場合があります。
- 本記事で紹介する内容は、調査時点(2025.03)の内容で、現在と異なる場合があります。